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パートは残業が当たり前?定時に帰れないので断るのは可能?

残業

パートの仕事に応募する際、気になるのが「残業」ではないでしょうか。

「パートだから定時に帰れると思っていたのに、実際は残業が当たり前だった」ような声をよく耳にします。

特に家庭やプライベートの予定がある方にとって、予定外の残業は大きな負担でしょう。

パートであっても会社や業種によっては残業を求められるケースも少なくありません。

では、残業はすべてのパートで当たり前のことなのでしょうか? また、定時で帰れる仕事はあるのでしょうか?

さらに、残業を断る場合はどうすればよいのか、これらのポイントについて詳しく解説していきます。

パートは残業するのが当たり前になっている?

結論から言いますと、求人の募集要項に残業について書かれていなくても、残業を求める会社もあれば、まったくしない会社もあります。

よって、必ずどのパートでも残業があるということではありません。

しかし、繁忙期や急な人手不足の際に「残業をお願いできないか」と言われるケースは少なくありません。

これはあくまでケースバイケースであり、必ずしも残業が当たり前というわけではありません。

また、パートを経験した方の多くが残業を経験したことがあるとされており、一般的には全労働者の70%以上が何らかの形で残業を行っていると報告されています。

詳細:労働時間制度等に関するアンケート調査結果(厚労省)

もし不安な場合は、面接時などで「残業はどのくらいありますか?」と確認することで、自分の働き方に合った職場を見つけることができます。

事前に聞いておけば、後から困ることもありません。

定時に帰れない!残業は断ることが出来ないの?

基本的に、残業は断ることが出来るケースと断ることが出来ないケースの2つ分かれています。

残業をしないといけないケース

残業を断ることが難しいケースは「36協定」が締結されており、雇用契約書や労働条件通知書などに残業が必要であると明記されている場合です。

このような場合、基本的に会社の指示に従う義務があり、残業を断ることは難しくなります。

残業を断るということは、契約違反となり最初は口頭や書面で注意や警告が行われることが一般的ですが、酷い場合は業務内容の変更が行われる場合もあります。

ですから、採用時には契約内容をしっかり確認し、自分がどのような条件で働くのかを把握しておくことが重要です。

よって、自分が残業をしないといけないかどうか知りたい場合、雇用契約書および労働条件通知書をまず確認することが最も良い方法です。

これらは、あなた個人の労働条件が明記されているため、残業が義務付けられているかどうか、どのような条件で残業をする必要があるかが最も正確にわかります。

また、就業規則にも残業規定などの記載がある場合がほとんどですので、就業規則も目を通しておくと良いでしょう。

 

 

残業を断っても問題ないケース

正当な理由がある場合

たとえ雇用契約で残業に同意している場合でも、正当な理由があれば残業を断ることができます。

例えば、体調が悪くて無理をすると健康に悪影響が出る場合や、怪我をしている場合などは無理に残業をする必要はありません。

また、育児介護休業法16条の8に基づき、子育てをしている場合は、家庭の事情で残業を断ることが可能です。

 

 

他にも家族の緊急事態や親の介護など、やむを得ない事情がある場合も残業をしなくても問題ありません。

こうした正当な理由がある場合は、上司に丁寧に状況を説明して残業を断るようにしましょう。

36協定なしの残業

法定労働時間を超える残業は、36協定が締結されていない場合は強制されることはありません。

法定労働時間とは1日8時間、週40時間を指します。この範囲を超える残業については、36協定の締結がない場合、労働者は残業を断る権利を持っています。

36協定は労働基準監督署に届け出ているもので、労働者代表と会社が合意した上で結ばれています。

協定の内容を確認したい場合、会社の人事部や総務部などに問い合わせれば、見せてもらえることが一般的です。

労働者には36協定の内容を知る権利があるため、通常は会社が従業員が確認できるようにする義務があります。

しかし、注意が必要なのは法定労働時間内の残業です。この場合は、雇用契約によって対応が異なります。

契約書に残業の明記がなければ断ることも可能ですが、契約書に記載がある場合は断りにくいこともあるため、事前に契約内容をしっかり確認しておくことが大切です。

詳細:36協定のない残業は違反です!(厚労省)

残業をする契約がない場合

雇用契約書や労働条件通知書に「残業をする」といった契約内容がない場合、残業を断ることが可能です。

例えば、パート先で急に2時間の残業を頼まれたとしても、元々契約に残業が含まれていなければ、労働者側に同意の義務はありません。

労働契約法第8条によると、労働条件を変更する際は、労働者の同意が必要とされています。

つまり、残業をするかどうかは自分の意思で決めることができるということです。

無理に残業を強いられることがあれば、その契約内容を確認し、自分に残業をする義務がないことを伝えると良いでしょう。

扶養の範囲を超える残業は拒否できる?

残業を拒否する理由として「扶養から外れる」という理由は、法的に認められた正当な理由とは言えません。

会社が労使協定に基づいて残業を指示する場合、基本的には従う義務がありますが残業を拒否する「扶養から外れる」という理由は認められないケースが多いです。

扶養から外れるというのは、個人の収入が一定額を超えることで配偶者控除や健康保険の被扶養者の資格を失うというものです。

具体的には、年収が130万円を超えると健康保険の扶養から外れ、また103万円(税法上)や150万円(配偶者特別控除)を超えると税制上の扶養控除から外れることがあります。

このような経済的な理由は、会社の立場から見て「個人的な都合」と見なされるため、正当な理由とはされません。

そのため、「扶養から外れたくない」という理由で残業を拒否するのは、会社側には認められにくいのが現実です。

しかし、会社と話し合いをすることで、状況に応じて働き方を調整できる場合もあるため、まずは相談してみることが大切です。

残業は上手に断るのがコツ

もし、残業を断れる状況だった場合でも、上手に断ることがちょっとしたコツです。

例えば「今日は急ぎの用事があるのでできませんが、明日なら対応できます」といったように、別の日に協力する姿勢を見せると良い印象を与えられます。

定期的に残業を求められる場合は「日程があり難しい場合が多いですが、なるべく協力するようにします」というような対応をすると、お互いにスムーズな関係を築けます。

他にも低姿勢で断ることで、相手に対して失礼な印象を与えずに自分の意思を伝えることができます。

「申し訳ありませんが」「ご迷惑をおかけしますが」といった丁寧な言葉を使うことで、相手が理解しやすくなり、トラブルや誤解を避けることができます。

また、可能であれば全ての残業を断るのは、人間関係に影響が出る場合があるので、時には協力する方がおすすめです。

強制的に残業をさせられる場合は違法?

上記の「残業を断っても問題ないケース」に該当する理由があるのに、強制的に残業をさせられる場合は違法となるのでしょうか?

この場合は違法となる可能性が高いので、もし強制的に残業をさせられる状況が続く場合、まず先にパート先の責任者に相談してみることが重要です。

しかし、それでも解決しない場合は、労働基準監督署に相談することを検討してください。

 

 

労働基準監督署は労働者の権利を守る機関であり、相談内容に応じて適切なアドバイスや指導をしてくれます。

また、長時間労働が続いて健康を害するような場合や、上司からの圧力がひどい場合は、退職も視野に入れるべきです。

無理をして働くことで体調を崩すことは避けたいので、どうしても状況が改善されない場合は自分の身を守るために次のステップを考えることも大切です。

残業を断った時のデメリット

やはり、残業を断ることで生じるデメリットの一つは、職場での人間関係に悪影響を与える可能性があることです。

他のパートや正社員が残業している中で、自分だけが定時で帰ると、周囲から「協調性がない」「仕事に対して真剣ではない」といった印象を持たれる場合があります。

その結果、職場でのコミュニケーションが減ったり、孤立することも考えられます。

 

 

また、残業を断ることで上司や同僚からの評価が下がり、仕事の割り振りが減ったり、パートの更新がされにくくなるケースもあります。

最悪の場合「この人には頼めない」と判断され、職場にいづらい雰囲気になることも。

残業を断る際には、理由をしっかり伝え、誠実な態度を心がけることが重要です。

職場に暗黙のルールがある?

パートの職場では、残業が当たり前になっているケースがありますが、その背景には「暗黙のルール」や「同調圧力」が存在することが多いです。

例えば、他の従業員が残業していると、自分だけ先に帰るのが気まずいと感じたり、上司や同僚から「もう少し手伝ってくれない?」と言われることで断りづらくなってしまうこともあります。

特に、職場の雰囲気や長く働いている社員が残業を当然のようにこなしている場合、新しく入った人もその流れに従うことが求められると感じてしまうものです。

しかし、雇用契約書に残業の義務が明記されていない場合は、無理に残業をする必要はありません。

まずは、自分の働き方やプライベートを大切にするためにも、職場の暗黙のルールに流されないよう意識することが大切です。

それでも同調圧力が強い場合は、専門機関などへ相談するなどして自分の立場を守ることも必要です。

パートで残業をしないための対処法

上述した通り、正当な理由がある場合は、残業をしなくても問題ありません。

しかし、正当な理由がなく、個人的な都合で残業を避けたいときには、どのように対処すれば良いのでしょうか?

雇用契約前に伝える

残業を避けたい場合、雇用契約を結ぶ前に面接時や雇用契約書を作成する際に「残業はできない」と事前に伝えておくことが効果的です。

この段階で伝えておくことで、雇用主も残業が難しいということを理解した上で採用を検討してくれます。

特に子育てや家庭の事情で時間が制約されている場合は、正直に話しておくと後々トラブルを防ぐことができます。

また、求人情報に「残業なし」や「定時帰宅可能」など残業がないと明記されているパート先を選ぶことも大切です。

契約前にしっかりと自分の働き方を確認・伝達することで、無理な残業を避け、ストレスのない働き方を実現できるでしょう。

事前に相談しておく

雇用契約前に言えなかった場合、対処法としては上司やオーナーに相談しておくことです。

「この日は必ず定時で帰りたい」や「子供のお迎えがあるので残業はできない」と具体的な理由を伝えることで、相手も納得しやすくなります。

特に、入社して間もない頃やシフトを決める際に事前に伝えておくと、お互いの理解が深まり、残業を避けるための配慮が受けられることが多いです。

また、業務が忙しくなる時期や日程も把握しておくことで、自分のスケジュールと照らし合わせて無理のない働き方を実現できます。

相手にとっても事前に相談される方が予定を組みやすく、トラブルを未然に防ぐことができるため、お互いにとって良い方法と言えます。

シフトを計画的に組む

残業を避けたい場合は、シフトを計画的に組むことも効果的な対処法です。

例えば、残業が発生しやすい曜日や時間帯を事前に確認しておき、その日はあえて短時間のシフトにしてもらうか、休みにしておくようにしましょう。

その一方で、比較的残業が少ない曜日には長めに働くことで、全体の勤務時間をバランス良く調整することが可能です。

また、希望のシフトを早めに提出することで、自分の希望が通りやすくなり働く時間や曜日にメリハリをつけることで、残業を避けつつ効率よく勤務することができます。

但し、繁忙期などで残業を頼まれやすい日に何度も休みを取ると、同僚から嫌がられたりシフトを変更される可能性があります。

そのため、事前に気をつけておくとよいでしょう。

契約内容の見直しをする

パートで働いている場合、契約更新のタイミングは残業を減らすチャンスです。

契約内容に記載されている勤務時間や残業に関する項目を見直し、自分の希望に合わせて変更を申し出ることができます。

例えば「家庭の事情で定時で帰りたい」など具体的な理由を伝えることで、契約内容を調整してもらえる可能性があります。

契約更新時は会社側も労働条件を見直す機会と捉えているため、働き方の希望を伝えやすいタイミングです。

また、契約書に記載されている勤務時間が曖昧な場合は、明確にしてもらうようにお願いしましょう。

曖昧な表現を避けることで、残業を断る際の根拠を持つことができ、スムーズに定時退社ができるようになります。

定時で帰れる仕事を探す

残業をしない働き方を目指すなら、初めから定時で帰れる仕事を選ぶのも有効です。

もちろん、今勤めているパートを辞めて、新たなパートを探すのもおすすめです。

求人情報をチェックする際には「残業なし」「定時帰宅可能」といった条件が明記されているものを探しましょう。

また、面接時に「残業はどの程度ありますか?」と質問することで、実際の働き方を確認できます。

 

 

特に、家庭の事情や子育ての関係で定時退社が必要な場合は、最初からその条件をクリアしている職場を選ぶことで、トラブルを防ぐことができます。

さらに、シフト制の職場や時間に厳しい業種(例えばオフィスビルの清掃や工場内のライン作業など)は、定時で帰れる可能性が高いため、自分のライフスタイルに合わせて選択することが大切です。

残業の基礎知識と注意点!知りたいルールとリスク

残業代は割増賃金となる

残業代というのは、一般的に割り増し賃金になると知られていますが、注意したい点として残業と言っても「法定労働時間」「所定労働時間」で残業代が変わってくることです。

法定労働時間を超える労働には割増賃金が適用されます。

具体的には、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた残業には25%以上の割増賃金が支払われることが労働基準法で定められています。

例えば、時給1,000円の場合、残業時は1,250円以上となります。

ただし、法定内残業(例えば1日7時間勤務の契約で1時間多く働いた場合)は、割増賃金の対象にはなりません。

意外と勘違いされる方が多いので、給料の計算には気を付けておく必要があります。

また、深夜(午後10時から午前5時)や休日に働いた場合は、さらに割増賃金が適用されることがあります。

残業代が正しく支払われているか確認することは大切ですので、給与明細をチェックし、不明な点があれば雇用主に確認するようにしましょう。

残業を断ったらクビになる可能性はある?

就業規則や雇用契約書に残業をすることが明記されている場合、残業を拒否し続けるとクビになる可能性があります。

例えば「業務の必要に応じて残業を命じることがある」といった内容が記載されている場合、会社の指示に従わないことで解雇の理由となるケースも考えられます。

しかし、これだけで直ちにクビになることは稀です。

まずは上司や同僚に相談し、正当な理由(例えば、健康上の問題や家庭の事情など)がある場合は伝えて理解を求めることが大切です。

一方で、就業規則や契約書に残業に関する記載がない場合は、無理に残業を強制されることはありません。

残業を強制されたり解雇の恐れを感じたりする場合は、労働基準監督署などに相談することも検討しましょう。

 

 

残業で最大の時間は?

法定労働時間を超えてパートで働く場合、残業時間には上限が定められています。

基本的には、1ヵ月あたり45時間、年間で360時間以内が限度となります。

これは労働基準法で定められており、パート労働者であっても正社員と同様に適用されます。

ただし、特別な事情がある場合、会社が労働組合と合意して「特別条項付き36協定」を結ぶことで、1ヵ月あたり45時間を超える残業が認められるケースもあります。

しかし、それでも年間720時間、単月100時間未満などの上限があります。

これらの基準を超えて働かせることは違法となりますので、無理な残業を強制されるような「ブラックパート」は退職した方が無難でしょう。

残業が多いと感じたら、勤務時間を確認し、自分の権利を守るようにしましょう。

サービス残業は違法になる

サービス残業とは、働いた時間に対して賃金が支払われない違法な残業のことを指します。

例えば、タイムカードを早めに切らされてからの作業や、早朝・昼休みの無給作業などが該当します。

残業代は、労働基準法で定められた割増賃金が支払われるべきであり、サービス残業は労働者の権利を侵害する行為です。

会社側は、残業時間を記録する義務があるため、正確な勤務時間が把握できない場合や、残業代が支払われない場合は、給与明細やタイムカードの記録を確認しましょう。

本来は1分でも残業をしたのであれば、対価として賃金が支払われるべきなのです。

もしサービス残業が常態化している場合は、労働基準監督署に通報することも検討すべきです。

ちなみに、サービス残業はたとえ自主的な場合であっても違法で、会社が自主的なサービス残業を認めたり、黙認する場合は法律違反となり罰則の対象となる可能性があります。

パートは残業が当たり前?まとめ

パートの残業は、職場や契約内容によって異なります。

求人票に残業の記載がない場合でも、繁忙期や人手不足で残業を求められることもありますが、それが「当たり前」というわけではありません。

全く残業がないパートもあるのです。

雇用契約書や労働条件通知書に残業についての記載がある場合は、基本的に従う必要がありますが、正当な理由や36協定がない場合、断ることも可能です。

残業を断る際の対処法としては、事前に相談する、契約内容を見直す、シフトの調整をするなどが有効です。

また、残業代は法定労働時間を超える場合に25%以上の割増賃金が支払われることを知っておくことも重要です。

無理な残業が続く場合は労働基準監督署に相談するなど、自分の権利を守る姿勢が大切です。

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