50代で事務のパートにチャレンジしたいと思っているけれど、よく「採用されにくいので厳しい」という話を耳にし不安に感じる方も多いでしょう。
確かに、SNSなどでも「何度も不採用になってしまう」という声が多く見られ、このような悩みを抱えている方は少なくありません。
もちろん、不採用となるのはきちんと理由があるので適切な対策を講じることで、採用のチャンスを広げることもできます。
本記事では、50代で事務パートの不採用が続く理由から、採用されるための具体的なコツなどまで詳しく解説します。
50代で事務パートの不採用が多くなる理由
年齢による衰え
50代ということで、やはり年齢による衰えが採用の壁となることが多いです。
もちろん50代はまだまだ衰えなどは感じられない年代ですが、採用するかどうかを決めるのは面接官です。
一般的に年齢が進むと共に記憶力や判断力の低下、体力の衰えが顕著になります。
事務の仕事は細かな作業や迅速な判断が求められるため、こうした能力の低下はマイナス評価を受ける要因となります。
さらに、体力の衰えにより長時間のデスクワークが難しくなることもあり、面接官は単純に年齢で判断している場合もあるのです。
会社側は即戦力として活躍できる若年層を求める傾向が強く、50代の応募者はその点で不利になることが少なくありません。
希望の時間帯が集中してしまう為
パートというと主婦が多いですが、主婦が事務のパートを探す場合、家事や家庭のルーティンに合わせて働ける時間を選びがちです。
そのため、午前中や午後の限られた時間帯に希望が集中し、特定の時間帯での競争率が高くなるのです。
多くの方が同じ時間帯に集中してしまうことは、競争率をアップさせ採用の難しさを増す要因の一つとなります。
企業側もその時間帯にパートを求めるケースが多いため、結果として不採用が続くことがあります。
よって、他の応募者と差別化を図るために、少し異なる時間帯を提案したり、フレキシブルな勤務時間を提示することを検討するといいでしょう。
離職の期間が長すぎる
長期間、仕事をしていない状態が続いている方は、採用に影響を及ぼすことが多いです。
子育てや家庭の事情で長い間仕事を離れていた場合、その間に得たスキルや経験が希望する職場で必要とされるものと一致しないこともあります。
さらに、例え昔に事務の経験があったとしても、最近のパソコン操作や業務の変化に追いついていない、と判断されることもあります。
企業側は即戦力を求める傾向があるため、長期間のブランクがある応募者は不利と見なされることが少なくありません。
事務経験がない
事務のパートに応募する際に、事務経験が全くないことも不採用の理由となる可能性があります。
事務の仕事は、基本的なパソコン操作やデータ入力、文書作成などのスキルが求められます。
50代でこれまで事務職を経験したことがない場合、企業側は必要なスキルや知識が不足していると判断することが多いです。
特に、事務職はミスの少ない正確な作業が求められるため、経験がないことは大きなハンディキャップとなります。
長く勤めてもらいたいから
多くの会社では、定年が65歳など設定されているため、50代の労働者は就業期間が限られていると見なされがちです。
そのため、企業は可能な限り長く勤務してもらえる40代やそれ以下の年代の候補者を優先することが多いです。
長期間働ける人材を採用することで、企業は採用コストや教育コストを抑え、継続的な業務運営を図ろうとします。
これが結果的に、50代や60代の求職者が不採用となる一因となっています。
50代でも事務パートに採用となることもある
若年層と比べると採用のハードルが高いのは事実ですが、50代で事務のパート採用されることも可能です。
近年は人手不足の影響で、50代でも採用されるチャンスが増えてきており、事務経験が豊富であったり特定のスキルに精通している場合は、即戦力として評価されることがあります。
また、企業側も多様な働き方を受け入れるようになり、年齢に関係なく能力や経験を重視する傾向が強まっています。
したがって、50代の求職者は自分の経験やスキルを積極的にアピールし、柔軟な働き方に対応できる姿勢を示すことが重要です。
面接や履歴書で具体的な実績や強みを強調することで、企業に対して自分の価値をしっかりと伝えることができます。
事務のパート求人も意外と多い
50代でも応募可能なパート求人は意外と多く、最近の求人では年齢不問と記載された求人、年齢に関する制限がない求人が増えています。
今や高齢化社会の影響で、シニア層と呼ばれている年代などまでパートに応募できる環境が整いつつあります。
実際大手の求人サイトで、都市部以外の地域で事務のパートを検索すると、求人が多い地域もたくさんあるので、求人が極端に少ないということはありません。
但し、パートではなく正社員の求人となると極端に少なくなり、正社員は若い世代が優先される傾向が強いのが現状ですので、厳しい戦いとなることは必須でしょう。
競争率が高いという噂は本当？
事務のパート求人は比較的人気が高く、競争率が高くなってしまうという傾向が強いという噂は事実です。
事務職はデスクワークが中心で、女性の方はこのような仕事を得意としている方が多く、パート求職者にとって魅力的な選択肢となります。
しかし、人間関係などトラブルなども多く意外と事務のパートは離職率も高いので、上述した通り募集も多い傾向となっています。
また、パートは正社員の事務に比べると、比較的競争率が低いと言えます。
正社員の事務職は、安定した収入や福利厚生が魅力であり、その分競争率がさらに高くなります。
50代の求職者がパート事務職を目指す場合、厳しい場合もあるかもしれませんが、正社員に比べるとまだチャンスがあります。
50代で事務のパートに採用されるコツ
頻繁に募集している会社へ応募
一番おすすめの応募方法としては、頻繁にパートを募集している会社へ積極的に応募することです。
求人を頻繁に出している会社は、慢性的な人手不足である可能性が高く、採用のハードルが比較的低いことが多いです。
しかし、このような会社にはデメリットがあることも考慮する必要があります。
例えば、仕事が非常にハードであったり、ノルマがあったりと職場環境が厳しかったりする可能性があります。
その為、応募する前に会社の評判を検索などを活用して調べることが重要です。
そうすることで、ブラックな職場ではないかを判断する手助けになります。
自分の体力やスキルに自信がある場合は、積極的にチャレンジする価値がありますが、無理をせず自分の限界を把握することも大切です。
根気よく探し柔軟性を持つ
事務のパートは根気よく求人を探し続けることがコツとなり、そしてある程度の柔軟性がないと厳しいでしょう。
例えば、時給が安いからといって応募を避ける、通勤距離が遠いからといって候補から外す、といったことを続けていると、採用のチャンスを逃してしまいます。
特に、50代という年齢は企業側が懸念する要素となることがあるため、全ての条件が揃った求人を見つけるのは難しい場合が多いです。
そこで柔軟な対応をすることで、採用の可能性を広げることができます。
但し重要なのは、自分のスキルや経験を活かせる職場を見つけ、そこで力を発揮することです。
妥協するポイントを見極めつつ、根気強く求人情報をチェックし続けることで、最適な職場に巡り合うチャンスが増えるでしょう。
何社も応募する
事務パートの採用される確率をアップさせるコツとして、複数の事務パートへ積極的に応募することが重要です。
パートの仕事は、バイトと同じで掛け持ちして応募することが一般的であり、これによって不採用の確率を下げることができます。
応募するパート求人の数を増やすことで、採用される可能性を広げ希望する条件に近い職場を見つけやすくなります。
特に50代は、年齢を理由に不採用となることがあるため、幅広く応募することが戦略的に有効です。
また、多くのパートに応募する際には、応募先の会社ごとにカスタマイズした履歴書や職務経歴書を用意し、面接の準備も怠らないようにしましょう。
難易度の高い仕事を避ける
事務のパートといっても、様々な事務の求人があります。
例えば、資格が必要になりやすい法務事務や経理事務などの専門的な業務は、経験豊富な人材が優先されることが多いため、採用が厳しくなります。
一方、一般事務の仕事は基本的なパソコン操作やデータ入力、電話応対などのスキルがあれば応募しやすく、採用の可能性も高まります。
このように、50代で事務のパートに応募する場合、難易度の高い事務の仕事を避け、一般事務など比較的ハードルの低い職種を選ぶことも一つの戦略です。
また、求人情報をチェックする際には、応募条件や仕事内容をよく確認し、自分に合った職場を見極めることが大切です。
最低限のスキルを身に着ける
事務のパートを希望しているのであれば、やはり最低限の事務スキルを身に着けることは必須と言ってもいいでしょう。
面接でも事務関連のスキルについて聞かれることが多いので、スキルがないと面接時にも不利になりやすいです。
例えば基本的なWordやExcelの使い方、タイピングスキル、PCの簡単な操作方法などは、事務職において必須のスキルです。
これらのスキルを習得することで、企業に対して即戦力としてのアピールができます。
もし、これらのスキルに自信がない場合は、パソコン教室やオンライン講座を利用して学ぶことを検討しましょう。
特にExcelは、多くの企業で使用されているため、基本的な関数やデータ整理の方法を習得しておくと有利です。
また、タイピングスキルも重要で、正確かつ迅速に入力できることが求められます。
これらのスキルを身につけることで、自分の価値を高め、採用の可能性を大いに引き上げることができます。
事務系の資格があると採用されやすい？
事務のパートに採用されやすくするために、事務関連の資格を取得することも一つの効果的な方法です。
例えば、日商簿記検定やMOS（マイクロソフトオフィススペシャリスト）などの資格は、事務職での経理業務に強いアピールポイントとなります。
資格を持っていることで、自分のスキルと知識を証明でき、採用担当者に対して強い印象を与えることができます。
但し、資格があると採用されやすいかどうかは、応募先の方針によるため一概には言えません。
しかし、資格取得を目指す過程で学んだ知識や技術は、実務でも大いに役立ちます。
資格があることで、未経験の業務にも挑戦しやすくなり、幅広い職種に応募することが可能となります。
さらに、資格を取得することで、自分自身の自信を高めることができ、面接時にも積極的にアピールすることができるでしょう。
事務のパートに採用されるために、自己投資として資格取得を検討し、スキルアップを図ることも検討するといいでしょう。
パートに採用されなかった場合の代替案
何度面接を受けても採用されない、という50代の方もたくさんいます。
そんな時は、少し考え方を変えてみて、似たような仕事を視野に入れることで就業のチャンスを広げることができます。
例えば、コールセンターやデータ入力の仕事は、事務職と同様に基本的なパソコンスキルやコミュニケーション能力を活かせる職種です。
コールセンターでは、電話応対やカスタマーサポートの業務が主となり、対話能力やストレス耐性が求められますが、経験を積むことでスキルアップが期待できます。
データ入力の仕事は、正確なタイピングスキルが求められますが、事務職と同様にデスクワークが中心であり、体力的な負担が少ないため50代の方にも向いています。
また、これらの職種は求人の数が多く、未経験でも採用されやすい傾向にあります。
柔軟な視点を持ち、幅広い職種にチャレンジすることで、自分に合った仕事を見つけやすくなります。
クラウドソーシングサービスで仕事を探す
ネットでの作業が苦痛ではない方は、クラウドソーシングサービスを活用することも一つの代替案です。
クラウドソーシングサービスは、インターネットを通じて仕事を受注する仕組みで、自宅で働くことができるため柔軟な働き方が可能です。
例えば、ライティング、翻訳、ウェブデザイン、データ入力など多様な業務がクラウドソーシングサービスで提供されています。
これにより、自分の得意分野や興味のある仕事を選んで取り組むことができ、今では副業としてたくさんの方がチャレンジしています。
また、クラウドソーシングを通じてスキルを磨き、実績を積むことで将来的にパートで得られる収入以上に報酬を得られる可能性もあります。
50代の方は今までの豊富な経験と知識を活かして、専門性の高い仕事に挑戦することもできる可能性だってあるのです。
そしてクラウドソーシングサービスは、自分のペースで働けるため、家庭や健康の都合に合わせた働き方ができるのも大きな魅力です。
50代で事務のパートは厳しい？まとめ
50代で事務のパートに採用されるのは厳しい現実が待っている場合もあります。
理由として、年齢による記憶力や体力の衰え、長期離職期間、事務経験の欠如などが挙げられます。
また、企業は定年まで長く勤めることが難しい50代よりも若い世代を優先する傾向があります。
しかし、パート求人は意外と多く、妥協や根気強い応募が採用の鍵です。
必要なスキルを身につけることや、事務関連の資格取得も効果的です。
また、採用されなかった場合は、コールセンターやクラウドソーシングなどの代替案も検討するとよいでしょう。
